岡山県津山市下高倉西824

肩インピンジメント症候群

肩インピンジメント症候群は、関節外インピンジメントと関節内インピンジメントに大きく分けられます。

関節外インピンジメントには、肩峰下インピンジメント、と、烏口下インピンジメント、が含まれ、関節内インピンジメントは、後上方インピンジメント、と、前上方インピンジメント、に分けられます。

一番多いのが、肩峰下インピンジメントでしょう。

上方の、烏口突起、烏口肩峰靭帯、肩峰、から構成される、烏口肩峰アーチと肩鎖関節、下方の、上腕骨頭、大結節で形成されるスペースは、subacrominal spaceと呼ばれ、その中に、棘上筋腱、棘下筋腱、肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱、関節包、などが存在し、肩関節の運動の際に肩峰の前下縁で腱板が衝突して痛みや損傷が起こる病態を、肩峰下インピンジメント症候群といいます。

インピンジメント、とは、はさみこみ、のことで、要は、肩関節の運動に際して、その空間内で、はさみこみが起こることで痛みが出て腕が挙がらない、という状態です。

このインピンジメントの要因はさまざまで、単独、または、いくつかの要因が組み合わさってインピンジメントを招きます。

要因は、解剖学的要因と機能的要因に分けられますが、通常の、とくにこれといった理由なく発症する場合には、機能的要因の占める割合が大きい、と考えられます。

インピンジメントの機能的要因として、まず、腱板の機能不全、があげられます。

腱板は、肩甲上腕関節の運動において、上腕骨頭と関節窩との適合を維持し、三角筋とともに、上腕骨の円滑な軌道を生み出すためのフォースカップルを形成しています。

腱板の機能低下や変性、断裂、などによって、フォースカップルの破綻が生じると、上腕骨頭が関節窩に対し求心位を保つことができず、上腕骨頭の上方への移動を増大させます。

もっと具体的に言えば、肩関節外転時、三角筋とともに腱板が働くことで、上腕骨頭の関節窩への引きつけと、三角筋による過剰な上方への移動を防ぎ、外転運動が可能となります。

しかし、腱板の機能が低下すると、相対的に三角筋の作用が強くなり、上腕骨頭が過剰に上方へ偏位し、インピンジメントが生じる、というわけです。

また、他の機能的要因として、肩甲骨の運動と位置の異常、があります。

肩の屈曲や外転の際、肩甲骨を上方回旋させることや後傾させることでスムーズな挙上が可能となります。

肩峰下インピンジメントの患者さんでは、健常者に比べ、肩甲骨の後傾や上方回旋が減少し、内旋が増加することで、肩関節の運動時にsubacrominal spaceが狭小化し、インピンジメントを招いています。この現象は、小胸筋の短縮と共存しています。

また、別の要因として、後方関節包の緊張・タイトネスがあります。

後方関節包のタイトネスは、上腕骨頭を過度に前上方へ偏位させ、subacrominal spaceの減少が起こり、これまた、肩峰下での機械的圧迫の増加をもたらします。

さらに、重要な要因として、姿勢異常、があります。

胸椎の過後湾(すなわち猫背)は、安静時に肩甲骨の挙上と前傾を増加させます。

さらに、肩関節挙上時に肩甲骨の上方回旋と後傾を減少させ、挙上制限をもたらすのです。

その結果、肩甲上腕関節の運動に影響を与え、インピンジメントが起こりやすくなるのです。

このように、肩が痛くて腕が挙がらない、という場合、肩峰下インピンジメントである可能性があります。

その機能的要因がこうして解明されているということは、治療方向としては、その要因を改善していく方向となるわけです。

つまり、治療としては、腱板機能を改善させ上腕骨頭を関節窩に対して求心位を保つようにする、ことが最大目標となるわけです。

そのために、インピンジメントを作り出している機能的要因に対し、それらの改善を図っていくことが、治療になるわけです。

その時に、注意しなければならないことは、姿勢異常の猫背の問題のように、局所的には胸椎の問題でも、当然胸椎は単独で存在しているわけではなく、身体の一部としてその他の部位と連動性を持って各部位が影響し合って存在しているわけですので、結論的に、いつものパターンになってしまいますが、決して局所にとらわれることなく、全身を評価していくことが大切なこととなります。

簡単に言い換えると、肩の症状は肩以外にも原因がある、ということです。

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