岡山県津山市下高倉西824

screw home movement

健康な膝関節を伸展していくと、最終伸展時に「screw home movement:SHM」と呼ばれる、下腿の外旋運動が起こります。

SHMは、不随意に起こる自動的な運動であり、これにより膝関節の安定性が増加します。

変形性膝関節症の患者さんでは、このSHMが起きないか、もしくは逆に内旋していまうことがわかっています。

変形性膝関節症の患者さんは、膝関節が完全には伸びない、という特徴がありますが、この膝関節の伸展制限に、SHMの逆転現象が関係しています。

SHMは、立位、荷重位では、健常者の場合、大腿骨の内旋運動に置き換わります。

しかし、変形性膝関節症の患者さんでは、大腿骨の内旋運動が起こりません。

この大腿骨が内旋できない主な原因が、骨盤の後傾です。

骨盤が後傾すると、運動連鎖で大腿骨が外旋し、それで内旋できないのです。

そうなると、膝を伸ばすためには下腿が外旋するしかないので、下腿を強引に外旋させてきます。

下腿が外旋すると、カップリングモーションで、下腿は外側に倒れてしまいます。

すると、O脚になります。

つま先が外を向き、足首がうまく使えなくなります。

歩行時、体を前に回転させるには足関節で回転しなければなりませんが、足関節の回転軸は、つま先が向いた方向に正対するようになっているため、つま先が外を向いていると足関節で回転できない、そこで、前足部をつぶして強引に内側に回すという運動戦略になり、その結果、足のアーチが潰れ、外反母趾になるのです。

SHMを作り出しているのは、前十字靭帯(ACL)や外側側副靭帯(LCL)の緊張です。

これらの靭帯の緊張は60歳代から落ちていくので、年齢が上がっていくほど、SHMが起こらず、膝も伸びなくなるのです。

変形性膝関節症の患者さんでは、これらの靭帯がうまく効いていないため、脛骨が前方に移動してしまっています。

それで膝が伸びきらない。

膝が伸びきらない歩行は、転倒しやすい歩行パターンです。

対策としては、まずは、前に出てしまっている脛骨を元の位置に戻してあげることです。

そして、SHMをしっかりアシストしながら膝を伸ばすように運動パターンを修正します。

あとは、骨盤をできるだけニュートラルな位置にもっていくことです。

この時重要になるのが、腸腰筋と多裂筋です。

腸腰筋と多裂筋が骨盤の傾きを決定しているからです。

とくに第三腰椎が本来の位置に来るようにすることが大事です。

L4、L5は、骨盤と一緒に動いていきますが、L3のところでしっかりと水平を維持する感じでがっちり固定されて、はじめて上部のコントロールが可能になります。

骨盤を後傾させてしまう原因として、股関節の不安定性も関係してきます。

股関節の安定性には、腸腰筋と閉鎖筋が大事で、肩のローテーターカフのように、大腿骨頭をギュッとしばるように安定させていますが、それが弱くなると、股関節がずれてしまいます。

その時、代わりに大腿直筋が働いて安定性を保とうとするため、骨盤は後傾してしまうのです。

端座位でSHMがうまく働くのに、荷重位でSHMがうまくいかない場合、股関節か足関節のどちらかに問題があるので、そこを修正するようにアプローチしていく必要があります。

変形性膝関節症の患者さんをはじめ、膝痛の患者さんにおいて、SHMを評価することは、非常に有意義であると考えています。

腰も膝も曲がってしまっている高齢者の姿勢制御・運動パターンを改善していくのは限界がありますが、この考え方は、若年者やスポーツ愛好家でも十分応用可能ですので、膝が痛いと訴える方では、アライメント評価とともに、SHMも評価して、股関節、足関節、骨盤、腰椎など、全身的に評価して、治療方針を立てながら治療していくことが有効である、と、OKでは考えています。

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